マイケル・ジャクソン略歴
- 1958年8月29日 インディアナ州ゲーリーで8人兄弟の6男として生まれる。1964年、ジャクソン5の一員としてデビューする(1975年、ジャクソンズに改名)。
- 1969年 ジャクソン5が「帰ってほしいの」で、メジャーデビュー曲、全米No.1 ヒットになる。
- 1971年 「ガット・トゥ・ビー・ゼア」でソロデビュー。
Triple M Generation
1987年9月から1989年1月にかけてのマイケル・ジャクソン初のワールドツアー「バッド・ワールドツアー」で、マイケルは二度来日します。それは、各々約一ヶ月間にわたる長期滞在でした。このツアーの間、マイケルは世界中の国々に滞在しました(コンサート開催国だけで15ヶ国)。この時代にマイケルが、世界中の人々に与えた影響は、21世紀に入りより明確な形となって、さまざまなカルチャー、そして、勿論、ファッションの分野においても現れることになります。
そんな1980年代後半に10代だった人々をTriple M Generation(トリプルM・ジェネレーション)と呼びます。MTV、マドンナ、そして、マイケル・ジャクソンの頭文字から取られたものです。この世代が、今ファッション、音楽、映画、そして、芸術の分野においても、台頭もしくは脂の乗り切った活躍をしています。またこの世代は、中身のない暇つぶしにしかならなかったものに夢中になった世代でもありました。ちょうど日本ではアイドルグループ&お笑い(=TV文化)全盛の時代でした。
ある意味、今の時代を再構築している要素とも言えるのが、1980年代後半なのです。この世代が恐らく「最後のアナログ世代」であり、無駄な作業に生命をすり減らした世代なのです。たとえば、VHSに録画したビデオ編集に時間を費やしたり、やたらと手間のかかるパーソナルコンピューターMSXなどを使ってみたり、カセットテープにラジオから流れる曲を録画したり、CDレンタルで借りたCDをテープに編集したり、ファミコン、スーパーファミンコンで、効率の悪いセーブポイントのゲームに熱中したり、そんなことに時間を費やした世代なのです。
そして、おそらく間違いないのは、この恐ろしく効率の悪いことをした経験のあるトリプルM・ジェネレーション=「最後のアナログ世代」が、これからのファッション及び芸術を先導していくことになる必然です。つまり最も役に立たないと思われた世代に、大いなる希望が存在したのです。そう・・・もう早く走ることよりも、もっと別の要素が全てに必要なことを、人々は感じ始めたのです。
バナナラマを聞いてきた彼らには、今のEDM(&日本のアイドルグループ)の本質にあるのが、中身のない暇つぶしであり、それを求める気持ちがよく理解できます。しかし、一方で、京都の街を歩くようなこともしないと、暇つぶしに人生が支配されるなということもよく知る世代なのです。
マイケル・ジャクソン旋風
「BAD」 1987年9月リリース。全米第1位/全英第3位
アルバム『BAD』(プロデュースはマイケル・ジャクソンとクインシー・ジョーンズ)からの第2弾シングル。作詞・作曲はマイケル自身です。当初、プリンスとのデュエットを想定していた作曲していましたが、実現しませんでした。18分のショートフィルムを監督したのは、『タクシー・ドライバー』等で有名な映画監督マーティン・スコセッシでした。ドラマシーンは白黒で、ダンスパートはカラーという構成で作られ、デビューしたてのウェズリー・スナイプスが出演します。
このビデオクリップからマイケルの尖がったイメージは生まれました。一方で、作品に社会のメッセージを込めるようにもなりました。スラム街から抜け出すためにプライベート・スクールに通う黒人青年が、感謝祭でスラム街に戻り、「この弱虫め」と昔の仲間に挑発されるストーリーです。『ウエスト・サイド物語』(1961)の影響も受けていますが、『理由なき反抗』(1955年)のグリフィス天文台のシーンの影響も色濃く見られます。
マイケル・ジャクソン・ルック15 BADスタイル
- たくさんのジップとバックルのついた黒ジャケット。勿論スリーブは、たくし上げやすくなっている。右胸の長い縦ジッパーが特徴。ナックルは基本的に二連で統一している。
- キャメル色のシルバースタッズ付きベルト
- ブラックパンツ。サイドにレッドライン入り。バックル付き
- バックル付きブーツ
- バックルとスタッズ付きグローブ
マイケル・ジャクソン・ルック16 フザール(軽騎兵)スタイル
- 「バッド」期に、カーク・ダグラスのような男らしいアゴになるため整形しました
- ブラック・カシミアのフザール・ジャケット。赤のアームバンドとカフス。ラインストーン・ブローチ
- ブラック・カシミアのパンツ。レッドライン入り
- ブラック・レザー・シューズ。真鍮のプレート使用