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フェイ・ダナウェイ

フェイ・ダナウェイ4 『華麗なる賭け』4(2ページ)

フェイ・ダナウェイ
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お団子ヘアとホワイトスーツ。

基本的にフェイ・ダナウェイの演じる女性は姿勢が悪い。

お団子ヘアにしたヴィッキー。

男性よりも上の位置に座りたかった1960年代。

キャッツアイ眼鏡と、四角形の時計。

ヴィッキー・ルック2 ホワイトスーツ
  • 白ウールのスカートスーツ、ミニスカート
  • レッドパープルのギャザーネックニット、エッグプラントブラウス
  • ホワイトタイツ
  • パールショルダーバッグ
  • ゴールドリングイヤリング
  • キャッツアイ眼鏡

世界で最もお洒落な女性の生活に、最も必要な男性として挙げられるのが、財力のある夫、もしくは父、彼女のヘアドレッサー、彼女のメイクアップ・アーティスト、そして、ケネス・ジェイ・レーン。

マリリン・ベンダー(ニューヨーク・タイムズ、1966年)

フェイ・ダナウェイのジュエリーを担当したのは、ケネス・ジェイ・レーン(1932-2017)でした。ケネスは、1960年代後半から70年代にかけて、ファッション誌において爆発的な人気を誇るコスチューム・ジュエリーのデザイナーでした。

そのキャリアは、アート・スタッフとしてヴォーグで働くことからはじまり、1958年から63年にかけて、クリスチャン・ディオールのニューヨーク・ブランチで、ロジェ・ヴィヴィエの下でシューズを製作することによって磨き上げられました。

1963年にケネス・ジェイ・レーン自身の名を冠したジュエリー・ブランドを立ち上げ、アーノルド・スカージ(1930-2015、1000人以上の歴代ファーストレディー及びハリウッド女優の顧客に寵愛されたアメリカを代表するオートクチュールデザイナー)とディオールのためにビジューで装飾されたシューズを造りました。

やがて、高級ジュエリーをコピーする技術に長けていたケネスは、コスチュームジュエリーをアメリカン・セレブの婦人のために造る事になり、オリジナルのジュエリーもあわせて、ジャクリーン・ケネディ・オナシス、エリザベス・テイラー、ダイアナ・ヴリーランド、オードリー・ヘプバーンといったファッション感度の高いアメリカのセレブから愛される存在となりました。

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ファッション・モデル・アストリッド・ヒーレン


ドイツ出身のファッション・モデル・アストリッド・ヒーレン(1940-)の、ブラウンのスエードのパンツスーツが実に素晴らしいです。まさにシックスティーズ・エレガンスを体現したセンスです。

本作は、彼女にとって映画デビュー作であり、後二本映画(バート・ランカスター主演の『大反撃』)に出演して、映画界を引退しました。

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ヴィッキーのトレンチスーツ

シャネルのようなバイカラーパンプス。

イヴ・サンローランのサファリ・スタイルに匹敵するトレンチスーツ。




インナーのポルカドットが効いています。

セオドア・ヴァン・ランクルのデザイン画。

ヴィッキー・ルック3 トレンチスーツ
  • トレンチスーツ、エポレットなし、スカートまで連なるフロントボタン
  • 黒のポルカドットがプリントされた光沢のあるホワイトシルクのボウタイブラウス
  • ラウンドフェイクパールイヤリング
  • 黒のハンドバッグ
  • ホワイトタイツ
  • 白×黒のバイカラー・ローヒールパンプス

一見するとショートトレンチコートを着ているような非常に珍しいトレンチスーツが登場します。しかし、このシーンにおけるスタイリングは、良くありません。ミリタリー・テイストにポルカドットとバイカラーパンプスというちぐはぐなスタイリングが、昨今のグッチやバレンシアガ・ミックスのラグジュアリーストリートのちぐはぐなコーディネイトを連想させます。

流行しているアイテムを寄せ鍋のようにしてしまうとそこからはファッション性が消えうせ、ただただ、剥き出しの本人の資質が目立つだけなのです。たとえばそれは、このシーンにおけるフェイ・ダナウェイの姿勢の悪さだけが記憶に残るようにです。