サイプレス & グレープバイン コロン インテンス
原名:Cypress & Grape Vine Cologne Intense
種類:コロン・インテンス
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:ソフィー・ラベ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/22,880円、100ml/32,890円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン
ジョー・マローンによる〝香りの空中庭園〟
ジョー・マローン・ロンドンから2020年9月4日に発売された二つの香りは、今までのジョー・マローンの香りとは全く違う趣の香りです。
「ロスト・イン・ワンダー」という名の新しいコレクションから発売された二つの香りは、「フィグ & ロータス フラワー コロン」と「サイプレス & グレープバイン コロン インテンス」です。このコレクションのテーマは、「世界の七不思議」のひとつ〝バビロンの空中庭園(バビロンの吊り庭園)〟です。
バビロンの空中庭園とは、新バビロニア王国の2代目の王ネブカドネザル2世(紀元前634年 – 紀元前562年)が、最愛の王妃アミュティスのために造った庭園でした。それは彼女が祖国メディア王国の山岳地域に対して持ち続けている望郷の念を癒すために、ありとあらゆる花と植物を植えた空中庭園でした。
ジョー・マローンのクリエイティブ・ディレクターであるセリーヌ・ルーが2016年に大英博物館で見たバビロンの空中庭園に関する展示物から得たインスピレーションによりこの香りのコレクションは創造されたのでした。
香りのワンダーをとりもどせ!
〝バビロンの空中庭園〟の香りをつくる為にセリーヌ・ルーがまず最初に行ったこと。それは、オックスフォード大学の考古学者に連絡し、バビロンの空中庭園で栽培されていたと考えられる植物の全てを把握することでした。
松、糸杉、ビャクシン、アーモンド、ナツメヤシ、黒檀、紫檀、オリーブ、オーク、ギョリュウ、くるみ、テレビン、トネリコ、モミ、ザクロ、西洋梨、マルメロ、イチジク、ぶどう
これらの香料と、空中庭園にまつわる王と王妃の物語を考えるにあたりセリーヌが出したひとつの結論は、二つの香りによって〝バビロンの空中庭園〟の香りを創造するということでした。
そして、セリーヌは、ソフィー・ラベとアレクシス・ダディエの二人を調香師として選抜したのでした。さらに、3人で再び大英博物館を訪れ、この時に行われていたアッシリア展で展示されていたニネヴェから発掘されたアッシリア・レリーフの一つである空中庭園について描かれたものを、香りを作るための最重要の参考材料としたのでした。
ふたつでひとつの香りでもあるこの香り。
「サイプレス & グレープバイン コロン インテンス」は、廃盤されたものも含めると、コロン・インテンス第十五弾となります。ソフィー・ラベにより調香されました。
そして、この香りは、もう一つの香りとコンバイニングすると相性が良いように調香されています。恐らく「サイプレス & グレープバイン」がネブカドネザル2世であり、「フィグ & ロータス フラワー コロン」が王妃アミュティスなのでしょう。
二つをコンバイニングすると、お互いの香りが、透明感に包まれ、鮮度と深みを増していきます。それは王と王妃の愛の香りとも言えます。
この香り単体のイメージは、彫刻によく彫られるモチーフであるサイプレス(イトスギ、西洋ヒノキ)とグレープバイン(ブドウの蔓)が、空中に浮遊し、生命力を取り戻し、森林を作り出していくような幻想的なイメージです。
枝や針葉から水蒸気蒸留法で抽出されたサイプレス精油がラベンダーとブレンドされスキッとしたフレッシュかつ鋭いウッディ・アロマティックな香りからはじまります。やがて、シダーウッドとベチバーにアンバーが重なり合い、それらの香りを包み込むように熟したばかりのワインのようなグレープの香りが包み込んでいきます。
ラストに、空中森林の上に雨が降ります。と同時に緑豊かなモスの香りが庭園をしっとりとした哀愁を帯びた、官能的な懐かしさで包み込んでいきます。
ディオールの「ソバージュ」のようなアロマティック・フゼアの香りであり、ユニセックスというよりは、メンズの香りです。
香水データ
香水名:サイプレス & グレープバイン コロン インテンス
原名:Cypress & Grape Vine Cologne Intense
種類:コロン・インテンス
ブランド:ジョー・マローン・ロンドン
調香師:ソフィー・ラベ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:50ml/22,880円、100ml/32,890円
公式ホームページ:ジョー・マローン・ロンドン
トップノート:サイプレス、ラベンダー
ミドルノート:シダーウッド、ベチバー、アンバー、グレープバイン
ラストノート:モス