珍しいジャンプスーツ・スタイル
ブリジット・ルック11 ジャンプスーツ
- サックスカラーのジャンプスーツ、ゴールドジップ
- 茶色のヘッドスカーフ
クロコダイルのクラッチバッグ
そして、再びマデリーン・ルボー(1923-2016)が登場します。彼女が持っているクロコダイルのクラッチバッグがステキすぎます。
あり余る富があらゆる苦しみに無関心であることを、私は経験から知っている。逆に、物質的に恵まれない人々は温かい心を持っていた。動物を救うために、また自分よりも貧しい、地獄に生きる人々を救うために、血と汗を流しているのは、最も心の広いのは彼らだった。金持ちよりひとつ下の階級に属するフランス人たちだった。私は愛情と感謝の気持ちを彼らに伝えたかった。「恵み与えたものは永遠に自分のものとなる。自分のために取っておいたものは永遠に失われる」だれの言葉だっただろうか?あまりにも真を突いている!
ブリジット・バルドー
ビキニ姿のBB
グレタ女王の4つのブルマン・ルックはどれも必見です。
プリンセス・ルック4 スカートスーツ
- デザイナー:ピエール・バルマン
- ベージュのチェック柄のウールスーツ、セミピークドラペル
- ベージュのシルクのボンネ(ヘッドドレス)
- 白のロンググローブ
- ベージュのハイヒールパンプス
- グレージュのハンドバッグ
ナディア・グレイの50年代プリンセス・ルックはこの作品の隠し味です。
タイムレス・アイコンとタイムロス・アイコンの違い
永遠のファッションアイコンをタイムレス・アイコンと呼びます。ブリジット・バルドーもそんなアイコンの一人です。
21世紀に入り、人々はタイムレス・アイコンに対して二面で捉えるようになりました。一面は、古き良きものを発掘し、知る、本物志向であり、もう一面は、ただ単に、インスタやSNSで流行を知るように表面的な記号として〝BBはカワイイ〟と捉える姿勢です。そういった姿勢が、更なるファッションに対する探究心へとつながれば素晴らしいのですが、そうでなければ、ただ自分自身の顔面を整形し、容易に美を手にした気分になる=空っぽの美に過ぎなくなります。
そして、彼女たちは〝私はBBが好き〟とバルドーの出演作を見ずに安易に表明し、〝BBを知ってる私ってすごいでしょ!〟という部分に、他者からの賛同を得るために、薄っぺらな呟きを垂れ流すのです。
一見すると、あれだけ美しく、センスも良い女性たちが、どうして、日替わり弁当のような自撮りスタイリング写真を垂れ流し、それを見る人々もただ条件反射のように「いいね」をクリックするのでしょうか?深みのない賛同によって生み出されるものは、何もないのです。もはや、インスタやSNSは、自意識過敏女子(カジョシ)の精神病棟と化してしまっています。
〝自分のセンスの良さを自慢する人間ほど薄っぺらな存在はない。そして、それに憧れる人々は更に浅ましき存在である〟という真実が、ファッション・アイコンとは慎み深さの中から生み出されることを教えてくれます。かつて、ファッション誌を賑わした言葉にITガールという言葉がありました。そして、もうすっかり過去の言葉となりました。これも同じことです。