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【サルバドール ダリ】パープルライト(フランシス・クルジャン)

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©BIJUTSU SHUPPAN-SHA CO.,LTD.
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パープルライト

原名:Purplelight
種類:オード・トワレ
ブランド:サルバドール・ダリ
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:不明

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春の嵯峨野の竹林と平安神宮の紅しだれ桜の情景からはじまる香り

©Les Parfums Salvador Dali

1982年に最愛の女性ガラ・エリュアールを失ったサルバドール・ダリ(1904-1989)は、もはや何も創造する意欲を失い、スペインの自分の城に引き篭もるようになりました。コフィンラグゼ社は、そんなダリに目をつけ、1983年にフレグランスのライセンスを獲得したのでした。

そんなダリから2007年に発売された「パープルライト」は、フランシス・クルジャンにより調香されました。くちびるが五つ並ぶパープルのボトルからは想像もつかないような、春の嵯峨野の竹林と平安神宮の紅しだれ桜の情景からはじまります。

特に、竹の葉の青緑の閃光に、クラっとする程の衝撃を受けることでしょう。この香りの魅力は、まさにオープニングの〝和のシュルレアリスム〟にあるのです。

すぐにムスクの風に乗り、朝露を含んだライラックの花びらと葉と茎の香りが広がり、竹の閃光がだんだんとかき消されてゆき、驚くほど美しい春の到来に満たされてゆきます。まるでライトアップされた満開の夜桜が、うつくしく淡く涼やかなパープルの幻想的な世界を生み出していくようです。

やがてクリーミーなジャスミンとティアラフラワーが、夜明けのライラックの庭園へと導き、ほんのり土っぽさとスパイシーさを伴う、新鮮な空気を吸い込んだような淑女を思わせるソーピィーなムスクが広がり、やさしい花を咲かせていくグランドフィナーレへと導かれていくのです。

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『Ruby Lips with pearl teeth』からインスパイアされたボトル

サルバドール・ダリ『Ruby Lips with pearl teeth』と『Eye of Time watch brooch』1959年。

サルバドール・ダリ『Ruby Lips with pearl teeth』と『Eye of Time watch brooch』1959年。

柑橘類を一切使用せずに、日本女性のお淑やかさを思わせる桜と竹の香りで、包み込むように穏やかで優しく上品な女性らしさを演出しているのがこの香りの特徴です。

浮彫になった5つの官能的な唇(五感を表現している)のボトル・デザインは、ダリの『Ruby Lips with pearl teeth』からインスパイアされています。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「パープルライト」を「グリーンミュゲ」と呼び、「心地良く、おぼろげな、何といっていいかわからないミルキーホワイトフローラルに、清潔なムスクをプラスした香り。淡過ぎるあまり、恥ずかしがり屋の印象を与える。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:パープルライト
原名:Purplelight
種類:オード・トワレ
ブランド:サルバドール・ダリ
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:不明


トップノート:バンブーリーフ、チェリーブロッサム
ミドルノート:ライラック、ジャスミン、ティアラフラワー
ラストノート:ムスク、ベチバー、アーモンドツリー