ティファニー&ラブ フォーハー
原名:Tiffany & Love For Her
種類:オード・パルファム
ブランド:ティファニー
調香師:オノリーヌ・ブラン、マリー・サラマーニュ
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:50ml/16,060円、90ml/22,660円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
21世紀のティファニーに相応しい香り
2020年1月(海外では2019年10月)にティファニーからはじめてのペア・フレグランスが発売されました。その名も「ティファニー&ラブ」です。
両方に共通する香料として、ブルーセコイアの香りが使用されています。この聞きなれないブルーセコイアという香りは、スキっとしたセコイアのウッディな香りを再現したものです。
男女それぞれが同じタイミングで、それぞれの香りを身に纏うと、同じタイミングにこのブルーセコイアの香りが現れ、二つがひとつに結ばれるという、ロマンティックな調香が成されています。
このフローラルウッディの香りは、フィルメニッヒのオノリーヌ・ブランとマリー・サラマーニュによって調香されました(二人とも業界屈指の美人調香師)。ちなみにティファニーのフレグランスは、コティにより制作されています。
「電気が走るような恋愛の中での感覚」を想起させる、明るくスパークリングするフレッシュなブルーバジルからこの香りの物語ははじまります。このブルーバジルは、フィルメニッヒが、ティファニーのために特別開発した香料です。そこに爽快なグレープフルーツがブレンドされます。
「ピュアな幸福感」を連想させる、ネロリとジャスミンにクリーミーなチューベローズが絡み合う甘美なフローラル ブーケが、前述したブルーセコイアとの絶妙な調和を奏でます。そして、ラストのベチバーとシダーウッドが、多彩でフェミニンな香りを作り上げています。
文句のつけようがないほど、素敵な、ティファニーというブランド・イメージに相応しい香りです。
ティファニーに相応しくないボトル・デザイン
香り自体は、ティファニーらしい高級感に満ちた、ブランドイメージ(永遠の愛を誓う香り)に相応しいものなのですが、ボトルデザインに関しては、賛否両論があります。
このディオールっぽい独創性に欠けるボトルのど真ん中に記された「&」マークが、その賛否両論の爆心地なのですが、これは偏に、2017年にティファニーのチーフ・アーティスティック・オフィサーに就任したリード・クラッコフのバックグラウンドが生み出した創造性の賜物なのでしょう。
リードは、パーソンズ出身のアメリカのファッション・デザイナーで、トミー・ヒルフィガーとコーチを復活させた人なのですが、どうもティファニーというブランドをデザインするにしては、チープな空気を生み出しすぎる(=軽すぎる)嫌いがあります。
どうせなら、ジュエリー・デザイナー(ベストはエルサ・ペレッティやパロマ・ピカソのジュエリー・デザインからインスパイアされたボトルデザインを生み出せる人)にボトルデザインを依頼した方が、「ティファニー オードパルファム」のような高級感を演出できたと思います。
このボトルを一言で表現すると、ブルーベルの店頭にはぴったりなのですが、ティファニーの店頭では浮きまくっているということなのです。
ちなみに、広告キャンペーンには本物のカップルが登場しています。
香水データ
香水名:ティファニー&ラブ フォーハー
原名:Tiffany & Love For Her
種類:オード・パルファム
ブランド:ティファニー
調香師:オノリーヌ・ブラン、マリー・サラマーニュ
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:50ml/16,060円、90ml/22,660円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
トップノート:ブルーバジル、ブラックカラント、グレープフルーツ
ミドルノート:ネロリ、ジャスミン、チューベローズ
ラストノート:ブルーセコイア、ベチバー、シダーウッド