オラージュ
原名：Orage
種類：オード・パルファム
ブランド：ルイ・ヴィトン
調香師：ジャック・キャヴァリエ
発表年：2018年
対象性別：男性
価格：100ml／45,100円
公式ホームページ：ルイ・ヴィトン
ルイ ヴィトンの万能の水＝『超神水』
©LOUIS VUITTON
私がルイ・ヴィトンのメンズ・フレグランスの中で一番最初に創造した香りであり、パチョリ（なんと30％！）とアイリスの組み合わせに着目し、全部で十数種類の素材で作られた香りです。今までの全てのフレグランスの中で、最もシンプルな調香を行った香りです。素材の豊かさが、香りの複雑さを生み出す好例です。
ジャック・キャヴァリエ
2016年9月に、ルイ・ヴィトンが、70年ぶりに一挙、7種類のフレグランスを発売しました。「レ パルファン ルイ ヴィトン」と銘打たれたこのコレクションの全ての香りは、ルイ・ヴィトンの専属調香師であるジャック・キャヴァリエにより調香されました。
そして、2018年2月に第八弾の香り「ルジュール スレーヴ」が発売されました。さらに続いて5月31日に発売されたのが、ブランド初のメンズ・フレグランス・コレクション「レ パルファン ルイ ヴィトン フォーメン」でした。
コレクションを形成する5種類の香りのうちのひとつが「オラージュ」です。〝オラージュ〟とはフランス語で〝嵐〟を意味します。
それは自然の驚異である〝嵐〟の後に生み出される大自然の息吹＝「嵐が過ぎた後の地球の香り」をグリーン・ウッディによって表現した、驚きに満ちた〝嵐の素顔〟の香りです。
この香りは、パチョリを讃えた香りです。 私の目標は、まるで香りが空を越えてグラースに伝わるような、とても軽やかなパチョリを作ることでした。 私はこの精油をアイリスと関連付けました。 アイリスとパチョリの組み合わせにより、香りがユニークで洗練されたものになっています。
ジャック・キャヴァリエ
パチョリとアイリスが解き放つ〝嵐の素顔〟
©LOUIS VUITTON
私はフレグランス・チームに、フレグランスとその背景にあるストーリーや感情を伝えるようにしています。〝パッション〟のような一般的な名前は嫌いです。なぜなら、香水の名前には何か意味がなければならないからです。
例えば、パチョリのように、古典的な成分を現代風にアレンジしたものも、ルイ・ヴィトンのコレクションの中にはたくさんあります。パチョリはよく知られており、パフューマリーのはじまりから使われていますが、私たちはそれに新しいプロセスを適用しています。
パチョリ・エキスひとつとっても、25年前のものとは違うのです。攻撃的なトップノートを除いたり、ドライダウンやミドルノートをうまく抑制したりすることも出来るのです。ルイ・ヴィトンではやっていますが、非常に高価なプロセスなので、ほとんどのフレグランスメゾンはやっていません。
ジャック・キャヴァリエ
嵐の後に生まれる素晴らしいものだけを凝縮させたこの香りは、〝まさに嵐を起こして、天と地をひとつにして、地球の大自然の恵みを謳歌〟するように、爽快なグレープフルーツと苦みばしったベルガモットが、すべてを壊していく雷が落ちるようにしてはじまります。
すぐに壮麗たるパチョリとフレッシュグリーンなベチバー、ミネラルを感じさせるペッパー、ドライなシダー、滑らかにみずみずしいアンブレットシードにより、湿った土の感触と、濡れた植物（花と緑と木）の新たな息吹を感じさせる〝大地の深呼吸〟に全身が満たされてゆくのです。
パチョリの〝万能の力〟が、天地をひっくり返す稲妻のような力を解き放ち、ひとりの人間の素肌に、大地が生み出す美しい衝撃を走らせてゆくのです。
そして、強さともろさ、美と壊れやすさがバランスを保つように、パウダリーとアーシィーの境界線を突き進む、清涼感に満ちたアイリスのしなやかな優雅な甘さが、大地の香りに、野生の気高さと身震いを付け加えながら広がってゆくのです。
それは透き通るようなクリーミーなパチョリの孤高の輝き、まさに神秘のベールを身にまとうようです。
（他ブランドを含む）あらゆるウィメンズ・フレグランスにコンバインすると、エレガントなメンズ・フレグランスへとトランスファーしてくれる魔法の香りです。まさに香りを性転換する《嵐の水》です。
香水データ
香水名：オラージュ
原名：Orage
種類：オード・パルファム
ブランド：ルイ・ヴィトン
調香師：ジャック・キャヴァリエ
発表年：2018年
対象性別：男性
価格：100ml／45,100円
公式ホームページ：ルイ・ヴィトン
トップノート：グレープフルーツ、ベルガモット
ミドルノート：アイリス、ヘディオン、ペッパー
ラストノート：パチョリ、ジャワ産ベチバー、イソEスーパー、アンブレットシード