究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ

ONE DAY|世界で評価された「ウーロン・ティー」を生み出した香港ブランド【香水聖地ガイド2025】

無店舗
©ONE DAY
無店舗
この記事は約5分で読めます。

ONE DAY

聖地評価:三ツ星
⾹りの祭典「サロンドパルファン」が、2025年3月19日から2025年4月1日にかけて⽇本橋三越本店で初開催されました。このイベントでバズりにバズった香港発フレグランスブランドが「ONE DAY」でした。白一色の潔いボトルカラーと共に、人々は「ジャスミン・ティー」「ウーロン・ティー」といった香りに夢中になったのでした。

ONE DAY(ワンデイ)は、2017年に当時30歳だったマイケル・ワンにより立ち上げられた香港生まれのフレグランスブランドです。マイケルは元々出版社で働いていたのですが、2016年に休暇を韓国で過ごす為訪れた時、ある香水店で香水を購入しました。その時、案内してくれたのが、現役調香師の韓国人女性でした。

すぐに意気投合し、調香技術に興味があると打ち明けたのですが、彼女は、誰かに教えることはしていないと回答しました。しかし、香港帰国後すぐ後に、マイケルの熱意にほだされ、マンツーマンのレッスンをしてくれることになりました。

かくしてISPICAとGIPで調香教育を受けた先生から、韓国で6ヶ月間の集中的な香水講座を受け、ずっと文系だったマイケルは、化学の原理を一から学びました。講座修了後も毎日何百もの香りを​​嗅ぎ続け、あらゆる化学物質や精油を徹底的に研究し、2021年に5年の試作の時を経て、遂にファースト・コレクションを発表することになりました。

ONE DAYというブランド名の意味は、〝いつか自分の夢を叶える〟というロマンチックな約束を込めたものです。

ボトルやボックスをはじめとするブランドのメインカラーを白にしているのは「香りだけに注目してもらうため」です。そのためボトルに刻印された白い文字さえも、光にかざさないと見えにくいように作られています。

2022年の第8回The Art and Olfaction Awardsでアルチザン部門で「ウーロン・ティー」が受賞しています。ちなみに同年、インディペンデント部門でP.Seven茶香水の「暗香」が受賞しています。

公式ホームページ:KAGUSHI

2025年1月29日〜2月4日にかけて阪急うめだ本店で行われたポップアップイベント ©阪急うめだ本店

ONE DAYのティー・フレグランスは、ただのバズり香水の領域を超えた、アジア人の感性で、しっかりと国際的な香水業界人たちからも認められた高品質なものであることが意外に知られていません。その意味においては、P.Seven茶香水と双璧を成す、ティー・フレグランスを作り出すアジア系フレグランス・ブランドと断言しても差し支えないでしょう。

スポンサーリンク

世界に注目されている中華圏のティー・フレグランス

©ONE DAY

マイケル・ワン ©ONE DAY

マイケル・ワン ©ONE DAY

「ウーロン・ティー」に使用されている天然素材に関しては、クラリセージ精油とハイチ産ベチバー精油が、ティーフレグランスを作る上で私にとって欠かせない原料ですこれらは、お茶を淹れる過程で立ち上る湯気の香りと、浸した茶葉の香りを引き立ててくれます。また「ウーロン・ティー」と「ジャスミン・ティー」を作る際には、それぞれの香りに合わせて調合した茶葉チンキも使用しました。

マイケル・ワン

ティー・コレクションの中で私が最も満足している香りは「ウーロン・ティー」です。その理由の一つは、調合に一番時間がかかったからです。2018年末にこの香りのインスピレーションを得てから正式に発売するまでほぼ3年かかりました。

二つ目の理由は、個人的な感情と集団の記憶です。個人的には、ウーロン茶の香りには、ONE DAYを設立する前に台北で経験した素晴らしい体験が込められています。そして集団として、アジアの人々が楽しむ本物のお茶の体験を再現したいと思っています。中国茶と西洋茶は全く異なるものだと信じており、私は自身の文化を創作の出発点としています。

マイケル・ワン

日本人ほどティー・フレグランスが好きな民族はいません。そんな日本人のハートを2025年春に撃ち抜いたのが、ONE DAYです。特に、ジャスミン・ティー(60ml/25,300円)とウーロン・ティー(60ml/25,300円)、タイペイ(60ml/25,300円)は、世界的に人気があります。

この香りを調香したマイケル・ワンさんが素晴らしいのは言うまでもないのですが、同じくらい素晴らしいのは、日本総代理店としてONE DAYを発見し、日本に紹介しているKAGUSHIさんの存在です。代表の男性の方は、積極的にポップアップの店頭でも接客に励み、お客様のニーズを汲み取ろうと頑張っておられます。

昨年から行われているカレ・ド・パルファムもこの方が、大丸本社のMDマネージャーの方と共同作業で行っておられます。東京大丸と大阪大丸で行われたイベントは成功から程遠かったのですが、今年5月に行われた神戸大丸のイベントは大成功でした。

トライ&エラーを繰り返しながら日本の香水文化を豊かにして下さるキーパーソンとして、カイエデモードはこの方に注目しています。