キモナント
原名:Kimonanthe
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/29,150円
フランス人が生み出した東洋の香り
ディプティック・ブティックのみで展開される「ル バザール デュ 34」の4つ目のラインアップとして2016年に発売された「キモナント」は、ファブリス・ペルグランにより調香されました。
「キモナント Kimonanthe」とは、「キモノ kimono」と「オスマンサス osmanthus の anthe」を組み合わせた名前です。日本と中国の古を感じさせる香りであり、こういった香りを生み出せるところがディプティックの素晴らしさです。
日本の塗香と、中国原産の桂花(オスマンサス)が、禁じられた遊びをはじめるというテーマで生み出された香りです。塗香とは、煙で香るものではなく、直接肌に塗ることが出来るお香(ボディ・インセンス)です。水で手を清めることが困難な時に僧侶が使用していました。
〝杏香〟とでも呼ぶべき、神秘的な甘いお香
ドライでパウダリーなお香の匂いと対を成すように、フルーティーなアプリコット(杏)の甘さが混じり合い、熟した梅を感じさせる香りからこの香りははじまります。フルーティー・インセンスです。
ゆっくりとオスマンサスは白い花を咲かせてゆきます。ミルキーな甘い香りに包まれてゆく中、通常のアプリコットなら速やかにドライダウンしていく所を、さにあらず、この香りはここから魔法がかけられてゆきます。
着物を着た女性の袖や裾が揺れるようにこの香りは動き出します。薬草であるクローブを中心に、刺激的なカンファー、そして、クリーミーなサンダルウッドが、アプリコットとオスマンサスに金箔が舞い散るような幽玄な煌きと持続力を与えてゆきます。
この香りにおけるオスマンサスは、黄色い花を咲かせる金木犀ではなく、白い花を咲かせる銀木犀の方です。フルーティーかつミルキー、そして、アニマリックな側面を持ちます。
フルーティーなお香からはじまり、薬草が加わる中で、より甘くなり、最終的に、ベースのクリーミーなサンダルウッドとレザーが、神秘的なスモーキーさで全身を包み込んでくれるのです。
この香りの最大の魅力は、明日に向かって香るのではなく、明らかに、悠久の時の流れを経た文化遺産と呼ぶべき家屋の扉を開けるような、過去に向かって香っているところにあります。
クリスチャンヌ・ゴトロが1960年代に製作したビーズネックレスへのオマージュとして製作された樹脂製のオレンジ色のボトルストッパーと、急激な温度変化によってわざと亀裂を作った、ひび割れ加工が施されたボトル・デザインが、日本と中国の様式美を見事に表現しています。
香水データ
香水名:キモナント
原名:Kimonanthe
種類:オード・パルファム
ブランド:ディプティック
調香師:ファブリス・ペルグラン
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/29,150円
シングルノート:オスマンサス、アプリコット、インセンス、カンファー、クローブ、サンダルウッド、レザー