マチルダを輝かせた二人の男のファッション
ナタリー・ポートマンのマチルダ・ルックは、レオン(ジャン・レノ、1948-)とスタンスフィールド(ゲイリー・オールドマン、1958-)という2人の男性の存在によってさらに輝きました。
まず最初に主役のレオンのファッションについてです。全身ほぼ黒ずくめのレオンは、本作と同じくリュック・ベッソン監督の『ニキータ』(1990)で、掃除人ヴィクトルとして出演したキャラクターが元になっています。
レオンのファッションについて
レオン・ルック
- グレーのニット帽(ビーニー・ハット)
- ダークグレイの3つボタンのウールのロングコート
- ロングスリーブの白サーマルシャツ/黒サーマルシャツ
- グレーのサスペンダー
- ウールのブラックトラウザー
- ジュニアゴルチエ、58-0072-2、ラウンドサングラス、鯖江製、1990年。
- ドクターマーチン、外羽根プレーントゥの3ホールシューズ、ブラウン
- 白の靴下
ジュニアゴルチエとは、ジャン=ポール・ゴルチエに、1988年から1994年まで存在したセカンドラインです。
史上最高に魅力的な悪党スタンスフィールド
『シド・アンド・ナンシー』(1986)でシド・ヴィシャス、『JFK』(1991)でリー・ハーヴェイ・オズワルド、『ドラキュラ』(1992)でドラキュラというとてつもなく濃い役柄をカメレオンのように演じてきたゲイリー・オールドマン。
そんな彼が本作において映画史に残る悪党を演じました。DEA(麻薬取締局)の主任であり、実はマフィアからも恐れられる悪徳警官であるスタンスフィールドです。この男が居たからこそ『レオン』は名作に成り得たと言い切っても良いほどに魅力的な悪役でした。
天を仰ぎ、ドラッグカプセルを噛み砕く登場シーンは、絶対に忘れられない強烈な印象を残してくれます(つまり真似をしたくなるということ)。
さらにベートーヴェンのリズムに合わせて、行進しながら、一歩進んで二歩下がりショットガンを撃つ姿や、ビーズカーテンを優雅にすり抜ける姿など、画面に現れるたびに嬉しくなってしまうほどに魅力的な、癖になる存在感があります。
特に、安原義人様が吹き返したスタンスフィールドも素晴らしい。「左様でございますが」の台詞回しが最高です。
スタンスフィールドのファッション
ベージュのスーツ
- ベージュのスーツ、ノッチラペル、シングル、3つボタン
- 白シャツ
- ブラウンのレザーベルト
- ブラウンのレザーシューズ
ウィリー・ワン・ブラッド
このドレッドヘアの男性に注目です。ウィリー・ワン・ブラッドというレゲエ歌手が演じています。ブラウンをベースにしたジャマイカン・レゲエ・ファッションに身を包んでいるのですが、ラフなサルエルパンツなんかは、かなりのハイセンスです。
茶色のブーツにバンダナとティアドロップのサングラス。この作品で、彼は間違いなく『第三の男』と呼ぶほどに、隠れファッション・アイコン・キャラとして輝いていました。
作品データ
作品名:レオン Léon / The Professional (1994)
監督:リュック・ベッソン
衣装:マギャリー・ギダッチ
出演者:ジャン・レノ/ナタリー・ポートマン/ゲイリー・オールドマン