【連載記事②】日本ではじめての高級オーダー香水を購入した理由

©LOUIS VUITTON
自分たちだけの香りを楽しめる、パーソナライズされたオーダーメイドの香水を作ることは、自分自身をより深く知り、嗅覚の欲求をより明確にすることができるため、非常に興味深い経験です。
日本で販売されているラグジュアリー・フレグランスのメイドトゥオーダーは、どういったものなのでしょうか?あと世界中で販売されている高級ブランドのメイドトゥオーダーはどういったものなのだろうか?それについて徹底的に調べてみました。
その結果、日本ではじめてルイ・ヴィトンの「オート パフューマリー」を購入された秋山さんご夫妻は、実は、あらゆるハイブランドのメイドトゥオーダー香水をはじめてご購入された方になるという事が分かりました。
そんなスペシャルな体験を皆様に共有させて頂く前に、より共感をもってご夫妻の体験を感じて頂くために、まずは「なぜ、ルイ・ヴィトンのオート パフューマリーを購入しようと考えたのか?」についてインタビューさせて頂きました。
ここで秋山さんご夫妻について軽くご紹介させて頂きましょう。30代の御二人は、元々資産家の一族の子女・子息であるという訳ではなく、20代から30代前半にかけて、すごく苦労された末に、現在は、都内で、ジュエリー・デザイナーであるご主人と共に、高価な天然石サロンを経営されています。
秋山夫人は、高校の頃から20代初めまでフレグランスを集めていたのですが、結婚した後、会社経営に専念するため、集めたフレグランスを処分し、約10年間、フレグランスを購入する余裕のない生活をしておられました。
そして、2020年あたりからようやく、天然石サロンの経営も軌道に乗り、再び、フレグランスを集めるようになられました。
ルイ・ヴィトンの香水との出会いについて

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――― ルイ・ヴィトンのオートパフューマリーを購入するきっかけについてお聞きする前に、秋山さん(以下、秋山夫人の事を指す)のルイ・ヴィトンのフレグランスとの出会いについて教えて頂けますでしょうか?
私が、最初にルイ・ヴィトンのフレグランスをお迎えしたのは、インターネットからでした。それは「ニュイ ドゥ フー」でした。更にいくつかウード・シリーズを購入しました。
――― オンラインが最初だったのですね!しかもウード・コレクションからというのは非常に珍しいですね。
実は、私はこの頃は、香水の接客を受けることに興味がなかったんです。そして、ルイ・ヴィトンのウード・フレグランスに興味を持ったのはカイエデモードのルイ・ヴィトンとジャック・キャヴァリエ氏の香水の記事を読んででした。
――― なんと!すごく嬉しいです。そんな秋山さんがなぜルイ・ヴィトンのオートパフューマリーを購入しようと思われたのですか?
それは私が誕生日に、友人と表参道を歩いていた時、カイエデモードで読んでいた聖地ガイドを思い出したからでした。そして、ルイ・ヴィトン表参道店にふと立ち寄り、その時、フレグランスのスペシャリストがおられますという事で接客を受けた男性スタッフの方に衝撃を受けたことからはじまります。
先程も述べたように、フレグランスを購入する時、説明らしい説明を受けたことがなく、それが当たり前だと思っていたのですが、この男性スタッフの方がとにかく素晴らしくて、ルイ・ヴィトンがなぜフレグランスを作ることになったという事から、ひとつひとつの香りの名の意味まで、とても丁寧に説明して下さったのでした。
そして、私がオンラインで購入した「ニュイドフー」の話になって、私が知らなかった香りの背景について、たっぷり教えて下さったのでした。
――― もしかしてその男性スタッフの方は、O様ですか?
はい。そうです。
――― ルイ・ヴィトンで、レジェンドと呼ばれているフレグランス・スペシャリストの方ですよね。
(秋山さんの旦那様が)私もこの方の香りに対するご案内を聞いているうちに、それまでフレグランスにさほど興味はなかったのですが、ルイ・ヴィトンのフレグランスに興味を持つようになりました。
――― さすがO様ですね!
そしてその場で「コズミック クラウド」をO様のお導きによりお迎えしました。以降、「クール バタン」など多くのルイ・ヴィトンの香りの魅力を、O様を通じて知ることになり、ジャック・キャヴァリエという専属調香師の存在に深い興味を持つようになりました。
さらにカイエデモードを通じて、彼が調香した昔のフレグランスの中で、私がずっと愛用してきたフレグランスが多くあることに気付かされ、びっくりしました。
――― ちなみにジャック・キャヴァリエ氏が調香したフレグランスで、昔から愛用されている香りは何でしょうか?
「エタニティ モーメント」「ニナ ファンタジー」「フラワー マーケット」「コーヒー ブレイク」など挙げればきりがありません。さらにブルガリのアレーグラも彼の調香によるものだと知りびっくりしました。
――― そしてある時、O様からオートパフューマリーについてのご案内を受けたのでしょうか?
いいえ、そうじゃないんです。実は以前、表参道店でとても素晴らしい女性スタッフの方から、クロコダイルのバッグを購入したのですが、汚してしまったので、メンテナンスをお願いしたところ、そのスタッフの方がいつもとても丁寧な方なのですが、雑談をしていると、実は「ルイ・ヴィトンでオートパフューマリーをしてるんです」という話題になったのです。
そして、私がフレグランスを購入している時の担当であるO様を呼んで下さり、ソノ内容についてご案内して下さったのでした。
――― どのくらい悩まれ購入されたのですか?
いいえ、即決で決めました。私は何かを購入する場合、直感を信じることにしてるのです。
(秋山さんの旦那様が)ただし、購入を決める前に、日本で誰か購入した方がおられますか?だけ確認した覚えがあります。
表参道のブティックと言えども、1000万円を超える商品は、トランクかジュエリーしかありません。
ここで日本と海外の高級オーダー香水について見てみましょう。

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日本で現在契約できるハイブランドのメイド・トゥ・オーダー香水は、ルイ・ヴィトン以外にアンリ・ジャックだけです。ちなみにアンリ・ジャックの場合、価格は約1700万円からです。
フランス本国で専属調香師からコンサルテーションを受けて作ることも出来るのですが、現地で通訳の手配が出来ないため、日本の銀座本店や、香料を持参してお客様の自宅に出向き、スペシャリストのスタッフがオーダー香水の希望内容を聞いて下さります。
そして、3種類の試作品が作られ、微調整を何度か繰り返して下さるとのことです。さらに香水名はお客様自身で決めることが出来るとのことです。アンリ・ジャックの特別なところは、一切、合成香料を使わずに天然香料でオーダー香水を作ってくれる所にあります。
以下、海外で購入できるゲランのメイド・トゥ・オーダー香水について、ご紹介させて頂きます。
ゲラン 「パルファン・シュール・ムジュール(Parfume Sur Mesure)」

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ティエリー・ワッサー ©GUERLAIN
1900万円(12万ユーロ)から
シャンゼリゼ通りの本店でのみ行われており、VIPルームで、ゲランの五代目専属調香師ティエリー・ワッサーのコンサルテーションを受け、試作品のチェックなど複数回の面談の末に、オーダーから約1年後に完成します。フランスの高級トランクメーカー、モワナの特注トランクに納められます。

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香水はバカラのクリスタルビーボトル(1リットル)と小瓶(100ml×6本、30ml×4本トラベルスプレーボトル)で納められます。すべて無制限に詰め替え可能です。
他に、カルティエ、メゾン・フランシス・クルジャン、ジャン・パトゥ、アムアージュもオーダー香水を作っています。