ベイビーキャット
原名:Babycat
種類:オード・パルファム
ブランド:イヴ・サンローラン
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2022年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml /38,500円
1968年からサンローランが愛する〝ヒョウ柄〟の香り
2015年11月に誕生したイヴ・サンローランの究極のフレグランス・コレクション「ル ヴェスティエール デ パルファム」の新作として2022年に発売された「ベイビーキャット」は、エディ・スリマンがクリエイティヴ・ディレクター時代に流行らせ、アンソニー・ヴァカレロも継承しているベイビーキャット柄からインスパイアされた香りです。
ちなみにイヴ・サンローランのコレクションではじめてヒョウ柄が登場したのは、1968年のシルクドレスからでした。バニラ×サフランのオリエンタル・スパイシーな香りは、ドミニク・ロピオンにより調香されました。
『山猫』のクラウディア・カルディナーレを21世紀に蘇えらせた香り
かつてドミニク・ロピオンは、調香師を目指しはじめた頃、ゲランの「シャリマー」に魅了されました。その思いをパンデミックの間に募らせ、ただストレートに、香りによって、心を揺り動かす、『七人の侍』のような群集劇を生み出せなかと考え、生み出されたのがこの香りでした。
その精神は、猛々しい、飼いならすことのできないものを、素肌の上で、見事に飼いならし、周りにいる人々をも官能の虜にしてしまう、そんな魔性の山猫=ルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』のクラウディア・カルディナーレを21世紀に蘇えらせた「21世紀の山猫」がこの香り「ベイビーキャット」なのです。
その素肌の匂いの奥に潜む、あなたのすべてを確かめたくなる香り
マダガスカル産バーボンバニラに自然に含まれる革のようなニュアンスを強調し、この側面と原料のグルマンな特徴のコントラストを中心に香りを作りたかったのです。
スエード・アコードをバニラと組み合わせることで、おいしさを引き立てます。クリーミーで官能的、そして温かみのある側面を持ち、お互いに組み合わされ、戯れ合う。
ドミニク・ロピオン
女は、愛のいとなみに、疲れ果てた。でも、この香りの一吹きを感じ取った瞬間、愛のいとなみを渇望するように、全身に活力がみなぎっていく……そんな表現こそ相応しいまでに、艶やかなバニラと捉えどころのないスパイシーなサフランのハーモニーが最初から最後まで、身も心もよろめかせてくれます。
はじまりはピンクペッパーとブラックペッパーにとろける樹脂=バルサミックなエレミの、ピリっとスパイシーなレモンの蜜蠟が溶けていくようにしてこの香りははじまります。すぐにその奥から、甘いスエードと神秘的なサフランが立ち上るのです。
そして、渦巻くフランキンセンスの星雲に、すべては飲み込まれていくのです。それぞれの香料が、星降る夜のようにキラキラと輝き続けているのが、「ベイビーキャット」の特徴です。ひとまとめにならずに、ひとつの情景が素肌の上に描き出されるのです。
スエードのキャンバスに、月のように光るサフラン、ペッパーとエレミの星々の輝きと、流れる雲のようなオリバナム。そんな魅惑の情景をすべてバニラが受け止め、サンローランのブランドイメージとも言える、グラマラスなエレガンス(=スモーキー×スパイシー・バニラ)を、あなたの素肌と一体化させていくのです。
人々を魅了する香りには、共通点があります。それは、柔軟剤のように、着ている感じではなく、その人の肌と一体化していると感じさせる所です。そしてふとした所作にフワッと舞った柔らかな匂いに引き込まれ、その奥に潜むあなたのすべてを確かめたくなるのです。
香れば香るほど、その香りの中に身を置けば置くほど、素肌の上でとろければとろけるほど、もっともっと好きになる香りです。
香水データ
香水名:ベイビーキャット
原名:Babycat
種類:オード・パルファム
ブランド:イヴ・サンローラン
調香師:ドミニク・ロピオン
発表年:2022年
対象性別:ユニセックス
価格:125ml /38,500円
トップノート:ブラックペッパー、ピンクペッパー、エレミ
ミドルノート:フランキンセンス、サフラン
ラストノート:バーボンバニラ、スエード、シダー