ライトブルー プールオム
原名:Light Blue pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:ドルチェ&ガッバーナ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2007年
対象性別:男性
価格:75ml/11,550円、125ml/15,620円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
地中海に育てられたシチリアの男たちの香り
2001年に発売された「ライトブルー」により、一気にフレグランス市場における存在感を高めたドルチェ&ガッバーナから、2007年に満を持して発売されたメンズ・ヴァージョンが「ライトブルー プールオム」でした。
この香りには1994年の「ドルチェ&ガッバーナ プールオム」(マックス・ギャバリーによる調香)以降、メンズ・フレグランスでヒット作を生み出すことが出来ていなかった現状を打開するという宿願も込められていました。
オリヴィエ・クレスプによって調香された「ライトブルー」は、デザイナーの二人ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナのホームタウンであるシチリア島の地中海の海の香りをイメージした香りです。
一方、アルベルト・モリヤスが手がけたシトラス・アロマティックのこの香りは、二人が若き日に地中海の海と共に育んだ冒険心と活力、そして、男性的魅力を投影させた香りです。つまりは〝地中海に育てられたシチリアの男たちの香り〟なのです。
白昼にも〝美しい悪魔〟が存在することを教えてくれる。
〝シチリアの男たちの香り〟それは、世界中の男たちが最も安心する香りとも言えます。太陽に愛される男たちが住む島=シチリアの燦々と降りそそぐ太陽の光に愛され、贅沢に育てられた柑橘類の香りからこの香りははじまります。
氷の鎖で拘束されていたグレープフルーツが、シチリアの太陽に温められ、解放され、酸味を弾けさせる中、ビターなベルガモットとジューシーなマンダリンが加わり、シシリアンシャワーが肌に降りそそいでゆきます。
一流の調香師にしか出来ないこと。それはたとえばシトラスの香りを生み出す場合、グレープフルーツの香りを生み出すのではなく、身につける人々それぞれのシトラスの香りを生み出せるところにあります。だからこそ、ある人は、グレープフルーツだと言い、ある人はベルガモットと言う、またはつける日によって感じ方も変わっていくのです。つまり一流の調香師が生み出すシトラスには、生命が宿っているのです。
この香りのトップノートのシトラスもまさにそうです。毎日、あなたの肌に地中海のシトラスの息吹を呼び覚ましてくれるようです。だからこそベルモットのようなジュニパーベリーが鋭く私たちの中の感情のスイッチを押すようにそこに存在するのです。
そして、シチリアのシトラスに祝福された男の肌に、ジュニパーベリーと結びつくように、ローズマリーと花山椒が到来し、アンブロックスとインセンスの風に乗って、スパイシーアロマティックの伴奏を奏ではじめるのです。
さらにすべてを包み込んでゆくローズウッド(とイソEスーパー)により、温かくも官能的な〝Evil under the Sun〟が生み出されてゆくのです。そう、白昼にも悪魔はいるのです。
照りつける太陽を肌に感じながら、すべてから解放され、澄んだ海に飛び込む夢を見ているような気分と共に、すべてがドライダウンする中、存在を増すムスクとオークモスによって、〝白昼の悪魔〟はカリスマ性を感じさせる静かなる微笑を湛えたイタリア男の横顔になるのです。
「ライトブルー」との明確なる違いは、レモンとアップルによるフルーティな甘酸っぱさに対して、こちらはスパークリングするグレープフルーツの酸っぱさが、甘いオレンジと苦いベルガモットに支えられているという点です。
他のブルー系メンズ・フレグランスと比較すると、アクアノートが強くなく、シャープさが抑えられ、背景に甘いオーラを生み出していくような存在感があります。
それはまるでキャンペーン・フィルムのような〝勝ち気な地中海の女性との火花が散るようなエキサイティングなロマンス〟を連想させる静かなる男の包容力も感じさせます。つまり、この香りを女性が身にまとうと、爽やかな男性に身を委ねているような気分にしてくれるのです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「今生産されている男性用香水の中では最悪のできかもしれない。マリンとウッディアンバーを組み合わせたノートはひどく不快。まるでペストとコレラが一緒にやってきたかのようである。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。
カプリ島で撮影された、素敵なキャンペーン・フィルム
キャンペーン広告がこの香りのイメージのすべてを的確に伝えてくれています。ファッション・モデルのデイヴィッド・ガンディーは2007年以降ずっとキャンペーン・モデルをつとめています。
一方女性のパートナーの方は、初代(2007)がファッション・モデルのマリア・ヴジョヴィック、二代目(2010)がファッション・モデルのアナ・ヤゴジンスカ、三代目(2013年~)が、ファッション・モデルのビアンカ・バルティと三人の女性がつとめています。
全ての撮影はカプリ島でマリオ・テスティーノにより行われました。二人とも50年代スタイルの水着を着ています。
アキレ・トリア-ニが官能的に歌う上げる1932年のイタリア映画『殿方は嘘つき』の主題歌「マリウ愛の言葉を」が、実に素晴らしいです。
香水データ
香水名:ライトブルー プールオム
原名:Light Blue pour Homme
種類:オード・トワレ
ブランド:ドルチェ&ガッバーナ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2007年
対象性別:男性
価格:75ml/11,550円、125ml/15,620円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
トップノート:グレープフルーツ、ベルガモット、シチリア産マンダリン、ジュニパーベリー
ミドルノート:花山椒、ローズマリー、ブラジリアン・ローズウッド、イソEスーパー
ラストノート:ムスク、インセンス、オークモス