ロー ブルー ドゥイッセイ
原名:L’Eau Bleue d’Issey
種類:オード・トワレ
ブランド:イッセイ・ミヤケ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2004年(廃盤)
対象性別:男性
価格:75ml/7,700円
イッセイの〝ブルー・ウォーター〟
イッセイ・ミヤケから1992年に発売されたファースト・フレグランス「ロー ドゥ イッセイ」は、三宅一生の予想を遥かに超える成功を収め、『香りのオゾン革命』を生み出し、世界中の男女が、〝水の香り〟を浴びるように身に降りかけるきっかけを生み出しました。
そして、その勢いの中、2年後の1994年に「ロー ドゥ イッセイ プールオム」が誕生し、こちらも大ヒット作となり、世界中に〝ユズ旋風〟を巻き起こしたのでした。
そして、いよいよ世紀末の足音が聞こえ始めた1998年に、ボーテ・プレステージ・インターナショナル社( BPI )のシャンタル・ルースは、前二作品を調香し、イッセイ・ミヤケの香りと共に、香水業界に下剋上を果たしたジャック・キャヴァリエに、第三弾の香り「ル フードゥ イッセイ」を生み出すことを指示したのでした。
〝イッセイの炎〟と名づけられたこの香りは、発売と同時に、その挑発的かつ奇妙な香り立ちにより、まったく売れず、わずか2年で廃盤となる『自らを焼き尽くす火の玉』になってしまいました。
それから6年の年月が経ちました。そして「ロードゥ イッセイ プールオム」から10年の時を経て、誕生したイッセイ・ミヤケのメンズ・フレグランス第二弾が「ロー ブルー ドゥイッセイ」でした。その名の意味は〝青い水〟です。
鮮やかなカンファーと味付けされていない大自然の匂いの波状攻撃
ブルーという名の付く香りから連想させるブルーオーシャンでもブルースカイでもない、ブルーフォレストの香りは、霧に包まれた冬の朝を想わせるローズマリーとレモングラス、ジンジャー、スターアニス、ラベンダーに、オレンジとライムの果汁が振りかけられ、ソーダのように発泡するシトラスハーブの澄み渡る清涼感からはじまります。
すぐに、森林を感じさせるサイプレスとジュニパーベリーが冷たいジントニックのように広がる中、大地を感じさせるパチョリと共に、メロンのようなカロンが振り掛けられ、ローズとナスタチウムがスパイシーな甘い花を咲かせてゆきます。
鮮やかなカンファーと味付けされていない大自然の匂いの波状攻撃に素肌はさらされ、やがてアンブレットシードとアンバー、サンダルウッド、シダーウッド、オークモスが溶け込み、最初から最後まで存在するローズマリーとサイプレスを、アロマティックソーピィーな仄かに甘い余韻で包みこんでゆくのです。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「ロー ブルー ドゥイッセイ」を「むきだしのハーバル」と呼び、「ルフードゥイッセイ」や、その後に作られた「ルフードゥイッセイ ライト」に出会ってからというもの、私はたゆまず進歩する天才調香師ジャック・キャヴァリエがミルクとパンと熱い石の風変わりな香りを上手に作り出さないかと待ち望んでいる。」
「ロー ブルーはセージ風のハーブの香調が大きく弾けるところから始まり、その後パンのアコードになる。15分後に、それははっきりしなくなってくる。パンが遠ざかり、心地よくゆらめくタルカムパウダー(ベビーパウダー)風のベースが香り始める。ここまで来ると、香水のもつ法則から考えればセージがトップノートでパウダー風がドライダウンだと思うだろう。でも違う。パウダーの香りは薄れていき、セージがいつまでも、どんどん味気なく露骨になって残る。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ロー ブルー ドゥイッセイ
原名:L’Eau Bleue d’Issey
種類:オード・トワレ
ブランド:イッセイ・ミヤケ
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2004年(廃盤)
対象性別:男性
価格:75ml/7,700円
トップノート:ローズマリー、ライム、マンダリン・オレンジ、エレミ、レモングラス
ミドルノート:スターアニス、ナスタチウム(金連花)、メイローズ、サイプレス、ジンジャー、ジュニパーベリー、ピンクペッパー、ラベンダー
ラストノート:サンダルウッド、アンバー、アンブレット、パチョリ、アトラスシダー、オークモス