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オリヴィエ・ポルジュ シャネルの4代目専属調香師

調香界のスーパースター達
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調香界のスーパースター達
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オリヴィエ・ポルジュ

Olivier Polge 1974年7月30日、フランス・ヴォクリューズ生まれ。調香師界においてサラブレットと呼ばれる人は、一人しかいない。37年間シャネルの香りを創り続けてきたシャネルの3代目専属調香師ジャック・ポルジュを父親に持ち、2015年2月より、自らもシャネルの4代目専属調香師に就任したオリヴィエ・ポルジュその人である。

グラースにあるシャラボで3年間トレーニング・コースを専攻し、1998年にニューヨークのIFFに研修調香師として入社する。そして、ソフィア・グロスマンやカルロス・ベナイムの下で働き、調香師として独り立ち出来るように経験値を積み上げていく。以後16年間IFFで活躍した彼の最初の成功は2005年の「ディオールオム」によってだった。2015年2月にシャネルの4代目調香師に就任し今に至る。

代表作

オ パフメ オーテルージュ(ブルガリ)
ガブリエル シャネル(シャネル)
キュイル ベルーガ(ゲラン)
ザ ワン フォーメン(ドルチェ&ガッバーナ)
ジミー チュウ オード パルファム(ジミー・チュウ)
ディオールオム(クリスチャン・ディオール)
N°5(No.5) ロー(シャネル)
バーバリー ザ ビート(バーバリー)
フラワーボム(ヴィクター&ロルフ)
ラヴィエベル(ランコム)
レペット(レペット)

オリヴィエ・ポルジュの全ての香水一覧

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調香師界のサラブレット

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調香師界においてサラブレットと呼ばれる人は、一人しかいない。37年間シャネルの香りを創り続けてきたシャネルの3代目専属調香師ジャック・ポルジュを父親に持ち、2015年2月より、自らもシャネルの4代目専属調香師に就任したオリヴィエ・ポルジュその人である。

私は食べたくなるような香りが好きではない。そして、良い香りの食べ物が好きでもない。そんな私が最も愛している香料は、アイリスです。なぜならそれはフローラルであり、ウッディーであり、パウダリーだからです。アイリスが香りの中に存在すると、そこから香りの選択肢が段違いに広がるのです。

オリヴィエ・ポルジュ

オリヴィエは、1974年にフランス・コートダジュールのヴォクリューズで生まれました。彼が4歳の時に、父ジャック・ポルジュが、シャネルの3代目専属調香師に就任しました。「私は特に子供の頃から、フレグランスに興味があるわけではなかった。私の10代の興味は、クラシック音楽とピアノでした」というオリヴィエは、ルーブル学院において、芸術の歴史学を専攻していました。

そんな彼の運命を変える出来事が起こったのは、1994年の夏休みのことでした。それは一ヶ月間にわたり、父が働くヌイイ=シュル=セーヌのシャネルのパルファム研究所でのインターンシップにおいてでした。「この経験が、私に香りの原材料と触れ合う喜びと、香りを創造する悦びを教えてくれたのでした」。

やがてグラースにあるシャラボで3年間トレーニング・コースを専攻し、1998年にニューヨークのIFF(インターナショナル・フレバー・アンド・フレグランス社)に研修調香師として入社することになります(2003年にパリのIFFに移動)。そして、ソフィア・グロスマンカルロス・ベナイムの下で働き、調香師として独り立ち出来るように経験値を積み上げていきました。以後16年間IFFで活躍することになります。そんなオリヴィエにとっての最初の成功は2005年の「ディオールオム」によってでした。

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「私は鍵盤を叩くように調香をします」

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調香師とは一般人が嗅ぎ分けることの出来ない香りを嗅ぎ分けることが出来る人なのではなく、感覚に左右されずに香りを捉えることが出来る人のことを指します。つまり、調香師とは、香料を、作曲家にとっての音符のように捉えることの出来る人々のことを言うのです。

オリヴィエ・ポルジュ

オリヴィエ・ポルジュが、はじめて身に着けたフレグランスは、「エゴイスト」でした。そのきっかけは、煙草の匂いを隠すためでした。そのような動機でシャネルの香りを身に纏っていた少年が、2013年9月にシャネルの4代目専属調香師に就任することが内定したのでした。

そして、1年半もの間、父ジャック・ポルジュとクリストファー・シェルドレイクと共に、後継者トレーニングに励んだのでした。父子共にとてもシャイで寡黙な二人は、この時まで、ほとんど会話のない父子でした。しかし、シャネルが二人の失われていた絆を復活させたのでした。

2015年2月にオリヴィエは無事に4代目調香師に就任し、6月に発表した「チャンス オー ヴィーヴ」をもって、彼の4代目お披露目の作品となったのでした。

シャネルというブランドを一言で表現するならばそれは〝創造性〟です」と言うオリヴィエにとって、シャネルというネーム・ヴァリューを背景にしつつも、創造性を発揮するという離れ業をやってのけなければならない正念場に立たされつつあるのです。