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ミッシェル・リー/カレン・モク3 『天使の涙』3(3ページ)

    「すぐ着いて降りるのは分かっていたけど、今のこの暖かさは永遠」

    初めてナチュラルなメイクで登場する女エージェント。

    洗濯機の上で着ていた豹柄のコットンベルベット・ジャケット。

    あの濃いメイクはなんだったんだろうか?

    そして、オシャレな金城武のブルゾン。

    カットされた二人で下着屋に押し込むシーン。

    そして、二人はバイクに乗る。ミッシェルはグリーンのフラットシューズを履いています。

    「今のこの暖かさは永遠」とつぶやく有名なラストシーン。

    最後の場面で、女はバイクの後ろに座り、淡々と、束の間のぬくもりに浸るーそれは矛盾にみちた道のりだ。行く先はあまり重要ではない。冬が長いか短いか、それもたいして重要とはいえない。冬はいやおうなく通り過ぎていくものだ。私たちが暗闇の後で夜明けを迎えるように。トンネルの果てには出口がもたらされるように。重要なのは、今の感情をあっさりと収めてしまうことだ。ぐっすりと眠ること、あるいは、休んで英気を養うこと。枯れきった木のように冷静になること。自分を守ること。あるいはせめて、そんなわけの分からない傷は負わないと、自分自身に約束すること。

    基本的に、女は最後に、これまでしてきたことはみんな間違いだったと自分に告げているのだ。彼女は自分が155週間を費やし、1人で作り上げてきたパートナーが、一変したのを見て、このパートナーを一人で葬り去る計画を立てる。パートナーをなくした女は、もう誰でもない。

    『ウォン・カーウァイ』ジミー・ンガイ

    幻のラストシーン?それともオープニングシーン?




    ラストシーンのその後が実は撮影されていました。それはバイクに乗せた女エージェントをガソリンスタンドで降ろし、そして、そのまま別れるのかと思いきや、熱いキスを交わす二人。そして、二人は別れるというシーンでした。

    実はこのシーンは、一番最初に撮られたシーンであり、ウォン・カーウァイの構想として、麻薬中毒の女とモウが出会い、恋人になるというオープニングシーンとして撮影されたものでした。しかし、「二人だとこれ以上の化学反応は生み出されないな」と感じ、物語は全て変わったのでした。

    1998年、金城武、プラダのキャンペーンモデルに抜擢される。




    ミウッチャ・プラダが、この作品を見て、金城武という存在に興味を持ちました。そして、1998年のプラダのワールド・キャンペーンモデルとしてアジア人として初めて金城武が抜擢されることになりました。

    この時期のプラダは、96年のグッチ買収をはじめ、今は定番となった逆三角形ロゴの初使用という風に、新たなるプラダの創造を目指していた時期でした。

    ミッシェル・リーという天使

    ミッシェル・リーとレオン・ライ。

    ミッシェル・リーとレオン・ライ。

    ミッシェル・リーと金城武。

    ただこの作品のためだけに存在した女優と言い切ってもいい程の存在感を示したミッシェル・リー。しかし、僅かこの一作で彼女は、21世紀のファッション・シーンに影響を与え続ける不動のファッション・アイコンとなりました。

    そう、恐らくミッシェル・リーという女性は、この作品のためだけに舞い降りてきた天使なのかもしれない。



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