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ミッシェル・リー/カレン・モク3 『天使の涙』3(3ページ)

すれちがう女。お互いから、同じ男の香りがした瞬間

ストレートの黒髪に真っ赤なリップは、美女にのみ許された特権。

彼女がこの電車に乗る唯一の意味を考えるととても切ない物語です。

偶然すれ違う二人。その瞬間、二人はひとつの香りを嗅ぎ取った!

ほんの一瞬だけ見えるカレン・モクのファッションの全体像。

そして振り返る。絶妙な遠すぎる距離感。

女エージェント・ルック11 キャミソールワンピ
  • グレーのキャミソールワンピ
  • 金のストラップハイヒールサンダル
  • 黒のチェーンショルダーバッグ、パテントレザー
金髪の女・ルック2 カジュアル
  • 白のブラウス
  • グレーデニムのミニ
  • 白地に黒とグレーの花柄のスプリングコート
  • パテントレザーの黒のショートブーツ
  • 黒の持ち手の白のトート

「この香水の匂いが別の女から漂ってくるなんて」と、お互いに考えながら、金髪の女と女エージェントは地下道ですれ違いざま、互いの関係を嗅ぎ当てるのでした。このときのカレン・モクのファッションがオシャレだ。

「プチプラ・コーデの教科書」

美人なのか不美人なのか分かり難い所がカレン・モクの魅力です。

バーの入り口は、京都の七条通の居酒屋群にあるようなビニールシート。

2018年的なストライプパンツと90年代的なアクリル板ストラップサンダル。

トム・ブラウン的でかなりトムボーイセンスに満ちたスタイル。

90年代にアジア圏で大流行した派手なブラトップ。

今見ても違和感のないエッジの効いたスタイル。

金髪の女・ルック3 トムボーイ・スタイル
  • グレーの白ストライプのクロップドパンツ
  • エナメルのアクリル板のアンクレットミュール
  • 透け感のある白ブラウス、2つのフラップポケット
  • 青空色にフラワープリントのブラトップ
  • 黒の持ち手の白のトート

1990年代の109やOPA、EST(またはHEP)にいたコギャルたちのような下着仕様のタンクトップに上から透ける素材のシャツを羽織っている金髪の女。そのパリジェンヌは決してしないアジア人独特のスタイルに、当時の世界中のファッション・デザイナーは度肝を抜かれました。

カレン・モクのファッションは、殺し屋の腕に歯形を残す以上の、壮大なる影響力を後のファッション・シーンに与えたのでした。そして、今も与え続けているのです。そのアジア的な独特の感性のアンサンブルは極めてファスト・ファッションとの相性が良く、この作品が「プチプラ・コーデの教科書」と呼ばれるのも、その先駆的なスタイリングの姿勢ゆえでした。

堕落天使ワンピース

壮絶なるパンチの効いたストリートガール・モード。

赤で統一されたベッド、口紅、ワンピースと黒髪のアンサンブルの妙。

ミッシェル・リーのこの煙草を持つ立ち姿に、どれ程の女子が影響を受けたことだろう。

この作品は、今も世界のファッション・シーンに影響を与え続けています。

女エージェント・ルック12 レッドワンピース
  • 赤のパテントレザーワンピース
  • 黒のパンスト

女は最後に気づく。パートナーになるには、感情をこめない方がいい。彼女は自分自身に約束する。これからは、二度とパートナーのためにベッドメイクもしないし、ゴミの中から自分の楽しみを探そうなどととも思わないと、そして、彼女は自分自身に約束する。これから、すべて変わるのだと。

『ウォン・カーウァイ』ジミー・ンガイ

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