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グレース・ケリー10 『真昼の決闘』(3ページ)

グレース・ケリー
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「私はいつも年上の男性が好きでした」

撮影当時、グレース・ケリー21歳。ゲイリー・クーパー51歳でした。

このキスに違和感を感じる人は、女性としての精神年齢が低すぎます。

私は年上の男性のほうが好きです。私よりたくさんのことを知っているし、ずっと面白いわ。これまでも、いつも年上の人が好きでした。

グレース・ケリー

本作からはじまるグレース・ケリーのハリウッド・スターとしてのキャリアは、11人の相手役の主演男優と共に築き挙げられました。1951年から1956年の21歳から26歳の期間において、相手役の平均年齢は46歳でした。

フレッド・ジンネマンが「彼は自分の年より若く見せようとは一度たりともしなかった。やせて、いくらか前屈み、ちょっと堅苦しく歩く彼は、キャラクターにまったくぴったりの体型をしていた。」と回想するように、この作品のゲイリー・クーパーは、若い男性には出せない哀愁に満ち溢れています。ここに、男性と女性の明確なる〝老いの美学〟の違いが分かります。男性にとって、皺は年輪になるが、女性にとって、皺は一部の例外を除いて、年輪にはならないということです。

それが故に、若い女性は、年上の男性に対する恋愛に違和感を感じず、若い男性は、年上の女性に対する恋愛に違和感を感じる訳なのです。しかし、整形手術で不自然に面の皮が突っ張った男女を、目の当たりにすることによって、私たちは、皺に対する評価を高めつつあります。そして、こう考えるのです。女性にとっても男性にとっても、最も美意識と知性を高めうるパートナーとは、年の差が離れた相手に対してではないかと・・・

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美女の隣に必要なのは、ダンディな中年紳士のみ。

ケティ・フラドと談笑するグレース・ケリーとゲイリー・クーパー。

ケイティとグレースに演技指導するジンネマン監督。

クーパーとジンネマン監督、グレース。

ボンネット帽を装着してもらうグレース。

ボンネット帽を装着したゲイリー・クーパー。

娘のマリア(1937-)にアイスクリームを食べさせるゲイリー・クーパー

この作品の保安官が、味方を求めて彷徨う姿に、「アメリカの恥だ」と激怒したジョン・ウェインとハワード・ホークスが1959年に『リオ・ブラボー』を生み出すのですが、面白いことに、史上初めてテレビ放映された1953年の第25回アカデミー賞において、不在のゲイリー・クーパーの代わりに親友のジョン・ウェインが、主演男優賞のオスカー像を受け取るのでした。