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【キャロライナ ヘレラ】212(アルベルト・モリヤス)

キャロライナ・ヘレラ
©Carolina Herrera
キャロライナ・ヘレラ
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212(トゥー ワン トゥー)

原名:212
種類:オード・トワレ
ブランド:キャロライナ・ヘレラ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:1997年
対象性別:女性
価格:30ml/6,100円、60ml/8,900円、100ml/11,900円

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二人のキャロライナ・ヘレラ

キャロライナ・ヘレラ。同姓同名の母と娘。そして、二人の女帝。©Carolina Herrera

キャロライナ・ヘレラ(キャロリーナ ヘレラ)は、1939年にベネズエラで大富豪の娘として生まれました。1950年代よりバレンシアガやランバン、ディオールなどのファッションショーに出入りしていた彼女は、1965年にエミリオ・プッチの広報担当として働くようになりました。

その美貌と財力と抜群のファッション・センスによりニューヨークの社交界においてもファッショニスタとして女性から崇拝される存在になりました。そして、1981年に当時のヴォーグ編集長ダイアナ・ヴリーランドの後押しで、コレクションを発表したことからブランドはスタートしました。

©Carolina Herrera

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プーチ社にライセンスを供与し、はじめてのフレグランスを発表したのは1988年のことでした。そして、娘であるキャロリーナ・ ヘレラ・デ・バエズが、1996年にフレグランス部門のクリエイティブ・ディレクターになり、折からの「若者向けフレグランス」ブームに遅れてはだめよ!と、2つ目の女性用フレグランスを生み出すための陣頭指揮を執ることになりました。

彼女は、日本向けではないインタビューで「日本の京都と大阪が世界中で私を最も魅了する都市です。日本は私にとって、常に魅了する国であり、その歴史、文化、文学にとても惹かれます。私にとって日本はとても神秘的な国で、やや謎めいていて、非常に異なった美しい風景があります」と発言するほどの親日家です。

現在も彼女は、フレグランス部門の最高責任者です。そんな彼女がはじめて創造した香りが「212」でした。

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絶妙にやり過ぎない美学=モリヤスの帝王学

©Carolina Herrera

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212とはニューヨークシティのエリアコードです。1997年9月に誕生した、ガーデニアが生み出す都会のオンナの香りは、アルベルト・モリヤスにより調香されました。

この香りから、アルベルト・モリヤスの皇帝への道ははっきりと定まったとも言えます。1994年に「シーケー ワン」、1995年に「プレジャーズ」、1996年に「アクア ディ ジオ プールオム」を生み出したこの男は、ついに調香師界の帝王になる道を見つけ出したのでした。それは〝絶妙にやり過ぎない美学〟です。以後、モリヤスは商品リリース数を加速させてゆきます。

キャロリーナ・ ヘレラとアルベルト・モリヤス

ニューヨークのような大都市で生きる若き女性のための香りとしいう漠然としたテーマだからこそ、その香りの根底にはただただ清潔感のみが流れているのです。そして、その周りに個性を徹底的に削ぎ落とした様々な美しい香りを結界のように張り巡らしたのでした。

高級ホテルの朝食バッフェのために、シャワーを浴びて、アメニティーの高級石鹸とシャンプーで全身をリフレッシュした後、シャワールームから一歩踏み出した瞬間を捉えたようなオレンジ・ブロッサムを中心とした清潔感溢れる芳香からこの香りははじまります。

レモンとベルガモットの煌きが奥深くから感じ取れます(モリヤスは柑橘の使い方がとても上手く、彼は柑橘をメイン香料に使うことはせず、女性が男性を落とすときの極めつけの瞬間のような使い方をします)。

やがて静かに美しく花を咲かせていくホワイトローズを中心としたホワイトフローラルブーケの中に、カクタス・フラワーとスズランをはじめとするグリーンノートとホワイトムスクが加わり、見事に調和してゆきます。

この香りの普遍性は、簡単にその魅力について説明できる所にあります。清潔感で包み込むフレッシュな柑橘類と白い花々の香りが、美しくパウダリー・ムスキーな、昼間のロマンティックな空気を生み出してゆく。そして、締めにクリーミーなサンダルウッドが静かに流れるような余韻を残してくれます。

石鹸のようで石鹸のようでない香りそれが「212」なのです。

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一つが二つになるボトル・デザイン

©Carolina Herrera

©Carolina Herrera

水彩画のような香り、油絵のような香り、コンピュータグラフィックスのような香りではなく、私が今求めているのは『真っ白なキャンバス』のような香りという時に、 シトラス→ホワイトフラワー+ホワイトムスクが生み出してくれる「まっさらな世界」。

頭を使わせる要素が一切存在せず、ただひたすらに五感を洗い清めてくれる「212」。

ファビアン・バロンとキャロライナ・へレラ自身がデザインしたボトルが非常に興味深いです。それはガラスとメタリックを組み合わせた構造に2本の212ボトルが収納され、1本は携帯し、もう1本は自宅に置いておくことができるようになっています。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「212」を「ハーシュ(きつい)フローラル」と呼び、「紙で切った指先の小さな傷にレモンがしみる感じ。それがすべて。」と1つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:212(トゥー ワン トゥー)
原名:212
種類:オード・トワレ
ブランド:キャロライナ・ヘレラ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:1997年
対象性別:女性
価格:30ml/6,100円、60ml/8,900円、100ml/11,900円


トップノート:オレンジ・ブロッサム、マンダリン・オレンジ、カクタス・フラワー、ベルガモット
ミドルノート:ホワイト・カメリア、百合、ガーデニア、フリージア、ジャスミン、ローズ、スズラン、ピオニー
ラストノート:サンダルウッド、ホワイトムスク

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