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【ディオール】コローニュ ブランシュ(フランシス・クルジャン)

クリスチャン・ディオール
©Christian Dior
クリスチャン・ディオール
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コローニュ ブランシュ

原名:Cologne Blanche
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2004年
対象性別:ユニセックス
価格:40ml/15,950円、125ml/34,100円、250ml/48,400円
公式ホームページ:DIOR

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「メゾン クリスチャン ディオール」の始祖

©DIORBEAUTY

©DIORBEAUTY

「コローニュブランシュ」は2004年に私が作ったフォーミュラを再発行したものです。この香りは、花や葉、枝など、あらゆる面でオレンジの花の香りです。 少しパウダリーな側面を持ち、とてもシックでディオールらしい香りです。

フランシス・クルジャン

2021年10月に、フランソワ・ドゥマシーからディオールの専属調香師のバトンを受け取り、フランシス・クルジャンが二代目専属調香師(ディオール パフューム クリエイション ディレクター)に就任しました。そして、2022年7月に公式オンラインブティック限定で、メゾン クリスチャン ディオールの始祖とも言える三つの香りを「トリロジー コフレ」として発売しました(7月4日のディオールオートクチュールショーに先駆けての発売)。

アニック・メナードが調香した「ボア ダルジャン(銀の木)」は、ずっと途切れることなくリリースされていたのですが、ずっと〝まぼろしの香り〟として語り継がれてきた二つの香りがここに復活することになりました。「コローニュ ブランシュ」と「オー ノワール(黒の水)」です。両方とも若き日のクルジャンにより調香された香りです。

公式サイトでは、クルジャンが「2004年に初めてモンテーニュ通りにあるディオール メゾンを訪れた」時の彼の原点の香りと伝えられているのですが、実は三作品の誕生において最も重要な役割を担った男の存在がありました。

メゾン クリスチャン ディオールの生みの親とも言える、つまりディオール・フレグランスの高級ラインを生み出した男の名を、エディ・スリマンと申します。すべてのはじまりは、ディオール・オムから生み出された、彼がプロデュースした最高級ラインのフレグランス「ディオール・ラ・コレクシオン・プリヴェ」からでした。

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この男は21世紀のファッションを変えた男だった

エディ・スリマン

香水とファッションの違いは、香水は長持ちするものであり、時を超えて忠実に私たちに寄り添い、私たち自身や私たちの人生と融合していくものです。それに比べれば、ファッションは忠実な友ではなく、ある瞬間すごく親しくなり、時が経てば、別れがやってくるのです。

エディ・スリマン

サンローラン・パリを経て、現在セリーヌのチーフデザイナーとして活躍しているエディ・スリマン(1968-)という人の業績を一言に集約させると、〝メンズ・ワードローブの可能性を限りなく広げた〟ところにあります。つまりは、スーツ、レザーシューズ、タイ、ドレスシャツ等のクラシカルなファッション・アイテムを、一気にモードへと昇華させたのでした。

エディ・ルックは、ディオールオムの時代から一貫しており、それはネオクラシックとロック・テイスト及びヴィンテージ・ルックがトライアングルに結びつき、普遍の輝きを生み出しているのです。

私が育ったのは1970年代から1980年代です。すぐにキャロンの香水をつけ、次にゲランの香水をつけました。大好きなオールド・イングランドのオーデコロンもつけるようになりました。

エディ・スリマン

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エディ・スリマン×フランシス・クルジャンのパフューム戦記

©DIORBEAUTY

フランシス・クルジャン ©DIORBEAUTY

香水に対して元々私が持ち合わせていた情熱から、2004年にディオールでコロンのプライベートコレクションを作りました。当時、香水コレクションという概念は黎明期にあり、このプロジェクトに興味を持つ人はほとんどいませんでした。

ブランディングとは無縁の、フレンチ・パフュームの純粋な伝統に基づいたこのような贅沢なプロジェクトが、顧客を獲得できるとは想像し難かったのでしょう。

でも、今では、多くのラグジュアリー・ブランドがプライベートコレクションを作っています。つまり、その先駆けだったのです。

エディ・スリマン

2001年にディオールオムのクリエイティブ・ディレクターに就任したエディ・スリマンは、2003年にメンズ・フレグランスのクリエイティヴ・ディレクターを兼任することになります。そして、彼は、アイリス、オレンジ ブロッサム、ラベンダーという3つの主要な香水の花に焦点を当てた三種類のスーパー・ディオールを発表したのでした(2007年に退任)。

2004年に発売されたこれらのフレグランスは、世界各国で当初順調な売れ行きを見せたのですが、125mlという大容量と2万円近くする価格帯、さらには販売員のトレーニング不足により、瞬く間にディオールオムの実店舗においてお荷物扱いされるようになりました。

そして「コローニュ ブランシュ」と「オー ノワール」は静かに消えていったのでした。ちなみに「コローニュ ブランシュ」は2011年頃に廃盤となり、「コローニュ ロワイヤル」(2010)に取って代わられました。

つまり「ボア ダルジャン」はタイムレスな香りと言えるのですが、他の二つの香りは、時代の先を進みすぎていた香りとも言えます。その意味において、クルジャンの2022年のコメントはかなりこれらの香りの本質を突いているのです。

三つの香りが、私が(エディ・スリマン、アニック・メナードと共に)立ち上げに関わったメゾンクリスチャンディオール誕生当時の姿に光をあてます。それは初めての出合いの物語であり、斬新さと確固たる価値、誠実さとエレガンスという常に私を導いてきた香りの美学の物語なのです。

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〝ディオールに愛されるコロン〟

©DIORBEAUTY

ヴェルサイユ宮殿、鏡の回廊 ©Christian Milet

3つ共にフォーミュラは変更していません。原材料の品質を一部変更しました。ジュースの色も自然な色に戻りました。シロップのような色の使用をやめ、純粋な形に戻る時期だと私は考えています。

フレンシス・クルジャン

〝ディオールに戻ってきた〟フランシス・クルジャンが就任して最初に行ったこと。それは三つの香りをリニューアルして蘇えらせることでした。共に2022年に戻ってきた「コローニュブランシュ」は、2023年には、すべてのMCDのカウンターで販売されるようになりました。

それは、約20年の時を経て、数多くのブランドが3万円以上のラグジュアリー・フレグランスを生み出すと言う、新しい市場を生み出したディオール(とアルマーニ・プリヴェ)の〝聖杯〟とも言える香りの復活だったのです。21世紀のラグジュアリー・フレグランスの流れは、この香りを含む三本の〝聖杯〟からはじまったのでした。

そんな「コローニュブランシュ」は、「白いコロン」というタイトルの通りどこまでも白い(透明感ではなく)香りです。メンズ・ファッションに革命をもたらしたディオールオムの〝不滅の反逆精神〟を体現する香り、つまりは〝永遠に色褪せない白いコロン〟。それはメンズ・モードを見事に取り込んでいる女性にとっての〝究極の白〟の香りでもあります。

ディオールのファッションを着た〝21世紀のディオール王朝の新しい貴族たち〟が、ヴェルサイユ宮殿の大広間で談笑している時に、相応しい〝非の打ちどころのないエレガンス〟を水に変えたような気高い魅力を持つコロンのイメージで生み出されたこの香りは、太陽に愛されるように、明るく煌めくオレンジ・ブロッサムとベルガモットのフレッシュな輝きの広がりからはじまります。ちなみにオレンジ・ブロッサムは〝太陽王〟ルイ14世のお気に入りの花でした。

最もうつくしい色だからこそ、最も人々が恐れる色である白。白のうつくしさを保つためには、常に手入れと細心の注意が求められます。つまりは、白を受け入れる心の清らかさと、素肌の手入れが行き届いている人たちのための〝エレガンスの仕上げの水〟なのです。

明るいオレンジ・ブロッサムの輝きを永遠に素肌に定着させるようにパウダリーなアーモンドがうっとりするようなハーモニーを生み出してゆきます(わずかに苦いミントがアクセント)。このコロンの魅力はこの二つの〝奇蹟のマリアージュ〟にあります。パウダリーに白いアーモンドが、女性(=オレンジ・ブロッサム)のあらゆる魅力を引き出していくのです。

そして、すきっとシャープにアロマティックなローズマリーと、気品溢れるヴァイオレットが加わってゆくのです。やがて、ディオールの生地、もしくはコスメに、愛撫されているような感覚に満たされるように、だんだんと柔らかな(砂糖の効いた)バニラとトンカビーン、ホワイトムスクのクリーミーな甘やかさに包み込まれてゆくのです。

舞い散る粉雪と白い太陽の光線を同時に感じさせる、涼しくて温かい稀有な感覚……まさに〝ディオールに愛されるコロン〟なのです。

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「ファッションとは、服だけでは完結しない」

クリスチャン・ディオール ©Christian Dior

白い雪が積もるファンタジー感と、灼熱の太陽の下、エメラルドブルーの海に向かって白い砂浜を駆け抜ける爽快感。そういった両極端な楽しい感覚が、極めてしづやかにエレガントに詰め込まれた香りです。

何よりも、シンプルなシルエットの中に、繊細さと抑制と大胆さが同居している、本格的なクチュールドレスのように、シンプルな構成の中に、素肌を磨きあげ魅惑する〝洗練された艶やかさ〟を持つディオールの真髄とも言えるコロンなのです。あなたのふとした仕草に合わせて、フワッと舞うように広がる柔らかな匂いに引き込まれ、もっともっとあなたのすべてを確かめたくなるような〝魔性の秘めやかさ〟も併せ持ちます。

当初ボックスセットはディオールのファッションウィーク中の2022年3月の発売を予定していたのですが、諸事情により実現しませんでした。

ディオールのブティックでウェアを購入する人すべてが盲目的に購入して頂いて問題のない香り。ムッシュ・ディオールの「ファッションとは、服だけでは完結しない」という彼自身の哲学を反映した香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「コローニュ ブランシュ」を「アーモンドコロン」と呼び、「この香水はヘリオトロピンをベースにした典型的なシトラス様で、淡く、隅から隅まで実に白い。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:コローニュ ブランシュ
原名:Cologne Blanche
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2004年
対象性別:ユニセックス
価格:40ml/15,950円、125ml/34,100円、250ml/48,400円
公式ホームページ:DIOR


トップノート:スウィート・アーモンド、カラブリアンベルガモット、ローズマリー、ポルトガル産オレンジ
ミドルノート:チュニジアン・オレンジ・ブロッサム
ラストノート:ブルボン・バニラ、トンカビーン

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