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アリ・マッグロー1 『ゲッタウェイ』2(2ページ)

    作品名:ゲッタウェイ The Getaway (1972)
    監督:サム・ペキンパー
    衣装:レイ・サマーズ
    出演者:スティーブ・マックイーン/アリ・マッグロー



    グレート・アメリカン・スタイル

    アリ・マッグロー(1939-)は1991年のピープル・マガジンにおいて、世界で最も美しい50人の1人に選ばれました。パラマウント映画の伝説的な若手ヘッド・プロデューサー、ロバート・エヴァンスを虜にし、スティーブ・マックイーンさえも夢中にさせた女性。そして、当時の人気女優キャンディス・バーゲンと無二の大親友である70年代を代表するファッション・アイコン。しかし、日本においては、彼女のルックスは美人とはいい難いです。

    スコットランド系の父と、ハンガリー系ユダヤ人移民の母の間にニューヨークで生まれたアリは、大学卒業後、6年間ハーパース・バザーのフォトグラファーのアシスタントとして働くうちに、身長173cmの長身とスタイルの良さから、ダイアナ・ヴリーランドに薦められ、ヴォーグでモデル活動(週54ドル)することになります。そして、1968年に、映画デビューします。そして、『さよならコロンバス』(1969)、アカデミー主演女優賞にノミネートされた『ある愛の詩』(1970)ととんとん拍子にヒット作の主演を飾り、本作で、スティーブ・マックイーンと共演することになります。

    この作品がきっかけとなり、1973年8月31日、マックイーンと結婚します(1978年離婚)。一方、前夫は、『ゴッドファーザー』などをプロデュースしたロバート・エヴァンスで、彼とは1969年10月に結婚し、1973年6月に離婚しています(マックイーンとの恋愛が原因)。エヴァンスは、アリを引き止めるために、『華麗なるギャツビー』(1974)のデイジー役と、『チャイナタウン』(1974)のエヴリン役を与えようとしたと言われています。

    つまるところ、アリ・マッグローという人は、1970年代初めにおいて最もモテるアメリカン・ガールだったのです。そんな彼女のモテ・エッセンスを学ぶことは、現代女性にとって決して無駄なことではないでしょう。なぜなら今、メディアに溢れている女性は、どうも作られた偶像の匂いがする深みのない見せ掛けの人ばかりだからです。ああ・・・女性は、いつからこうも内面を捨てて、アンチエイジングや若さのみを売り物にする薄っぺらな玩具に成り果てたのでしょうか?



    70年代を象徴するブロンズ肌美人

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    大胆すぎる胸元。夫ドクを出所させるために、有力者を色仕掛けするキャロル。

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    こういった女の価値を貶めるファッションが、より彼女の屈辱感を高めます。

    日本の仁侠映画にも通じるガッツのある極妻キャロル。

    スティーブ・マックイーンが初対面で夢中になったというアリ・マッグローのブロンズ肌。肉体は細身ですが、走る姿などの身のこなしからは、相当な運動神経の良さが見えます。まさにしなやかな獣のような肉体です。彼女のブロンズ肌の美脚もそうなのですが、同色のスエードコートも含めて、ブラックスーツのマックイーンとの見事な色彩的対比を生み出しています。

    寡黙なアメリカ版極道の妻キャロル。最近つとに多いギャーギャー自己主張の激しいアメリカ女性像ではない、アラン・ドロンの『サムライ』の女性版のような役柄が、マックイーンとの相性を見事に高めています。間違いなくこのコンビは『俺たちに明日はない』(1967)のボニー&クライドに匹敵する犯罪者カップルです。

    キャロル・マッコイ・ルック1 Vゾーン・ルック
    • 白のワンピース。イタリアンカラー付きVゾーンで、デコルテ強調。ドレープの美しいシルクジャージーと思われるエクリュ色のドレス。ミニスカート
    • 金のチェーンベルト
    • ダークブラウンのエディターバッグのようなバッグ
    • キャラベルの腕時計
    • 前夫ロバート・エヴァンスよりプレゼントされたカルティエのラブ・ブレスレット
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    当初、キャロン役は、シビル・シェパード→ダイアン・キャノンで考えられていた。

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    こういう爽やかなファッションもドンピシャに似合います。

    キャロル・マッコイ・ルック2 プロデューサー巻きルック
    • ベージュのセーターをプロデューサー巻き
    • 白のブラウス(ルック1と同じ)
    • ベージュのミニスカート
    • ローヒールパンプス




    世に溢れるトレンチコートに物申します

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    70年代らしい大きな襟のスエードのトレンチコート。

    銃の扱い方を教えるマックイーン。自然な銃の扱いにアリは6週間かかった。1972年5月15日。

    スエードのトレンチコートは、今では一歩先をいくアイテムです。

    よく女性誌に載っているトレンチコート・ファッションの代表的な写真がこれです。

    確かにトレンチコートを着れば、女性は二倍増しに見えます。しかし、ファストファッションや、OEM生産において、コスト削減の中で作り上げられたトレンチコートは、もはや外見だけがトレンチコートであって、本体は、貧相な布切れになっています。ここでは着心地よりも、見た目という最低ライン設定がされるのですが、生地が悪くて、ちょっと座っただけで、皺だらけになっている死体のようなトレンチコートが多いのが現実です。これは的確な表現をすれば、ボロボロのクロックスを履いている人並みに惨めなのです。

    一方、見た目の最低ラインをクリア出来ていても着心地が良くなければ、トレンチコートとしての機能を果たしません。ファッションは、自分を裏切ることも出来れば、自分を表現することも出来ます。そして、トレンチコートほど、そのファッション感度の物差しがわかりやすいアイテムはありません。自分を裏切る死体のようなトレンチコートを着ている人と、生命力溢れるトレンチコートを着ている人とでは、どちらの女性っぷりが上がるかは言うまでもありません。そんなトレンチコートの中でも上級アイテムと言えるのが、スエードのトレンチコートなのです。

    キャロル・マッコイ・ルック3 リッチヒッピースタイル
    • ブラウンスウェードのトレンチコート。高い衿と狭い肩幅とタイトなシルエット
    • 濃いベージュのウエスタンブラウス
    • ダークブラウンのパンツ




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